2018年8月

名誉毀損判断におけるインターネット上の掲示板の読み方 東京地裁平成20年10月27日判決

東京地裁平成20年10月27日判決

【事案の概要】

 Xは中野区議会の会派d党所属の区議会議員である。当氏名不詳者は電子掲示板に,Xが区議会議員でありながら性風俗店で買春をした,等の書き込みをした。Xは,プロバイダであるYに対し,氏名不詳者により自身の名誉を棄損されたと主張し,プロバイダ責任制限法に基づいて氏名不詳者の住所・氏名等の開示を求めて提訴した(認容)。

【判決要旨】

 「なるほど,中野区民でない一般の読者が本件掲示板を読んでも,「d党の大幹事長」であるとされる「C議員」が原告を指すことはにわかに判明しないということができるが,本件掲示板は,中野区政に関して前記目的で開設されている掲示板なのであるから,これを閲覧しようとする者は,中野区政に関して関心を有する者であると解され,原告が中野区議会議員のd党議員団の幹事長であることは,相当数の不特定者が知っている事実であることが明らかである。したがって,「C議員」が原告を指すことは,本件掲示板を閲覧する普通の読み手にとって容易に判明すると解されるのであって,「C議員」を国会議員と誤認するなどということは,「区議会d党の有名人C議員」と特定記載している本件1-①の記事の文脈から見て普通の読み方ということができず,Yの上記主張は採用することができない。」

「Yは,本件掲示板の一般の閲覧者は,普通,本件掲示板の記載を全部読むとは限らないとの趣旨を主張するものと解される。なるほど,例えば,雑誌の吊広告,新聞広告等であれば,あえて見ようと思わない者の目にも入り,目に入った以上,瞬時に一定の意味を理解はするから,雑誌の吊広告,新聞広告等の標題等を見た普通の理解力の者が,普通,どのように理解するかが問題となるのである。しかし,インターネット上の掲示板は,見ようと思わない者の目には入らない。これを見る者は,読もうと思って開くのである。したがって,読もうと思って掲示板を開いた普通の理解力の者が,普通の読み方をしたときに,どのような意味に理解されるかが問題となる。あえてインターネットの掲示板を見ようと思って,これを開く以上,文章の意味を理解しようとして読むのが普通であり,特定人を匿名表記して批判,非難する文章であることを理解しつつ,その文章をあえて読もうとする者は,普通,それが誰かを知ろうとして,前後の文章を拾い読みするのが普通であると解される。中野区政に関心をもつ不特定多数の者が閲覧する本件掲示板の性質に鑑みれば,「C議員」とは誰のことだろうかと関心を持った者が他の記事を拾い読みすることは容易に考えられるところであり,別紙3の本件掲示板の記載を通覧すると,普通の読者の注意と読み方をもってすれば,「C議員」が原告を指すことは容易に理解することができることが明らかである。そうすると,本件記事中の「C議員」が原告を指すことは特定されるといわざるを得ないのであり,Yの上記主張は採用することができない。」

【コメント】

 掲示板での投稿は,それだけみると一見して名誉毀損といえないことが多々あります。しかし,インターネット上の掲示板は,あえて見ようと思う人しか見ませんから,あえてその掲示板を見ようとする人の読み方を基準に解釈する,ということを明確にしました。さらに具体的に,当該掲示板が中野区生に関心を持つ人の掲示板であることを踏まえて判決しています。インターネット上の掲示板の性質や実態を踏まえた,メディアリテラシーに叶う判決だと考えます。

Winny事件・最高裁平成23年12月19日判決

最高裁平成23年12月19日判決・刑集65巻9号1380頁

【判決要旨】

「Winnyは,1,2審判決が価値中立ソフトと称するように,適法な用途にも,著作権侵害という違法な用途にも利用できるソフトあり,これを著作権侵害に利用するか,その他の用途に利用するかは,あくまで個々の利用者の判断に委ねられている。また,被告人がしたように,開発途上のソフトをインターネット上で不特定多数の者に対して無償で公開,提供し,利用者の意見を聴取しながら当該ソフトの開発を進めるという方法は,ソフトの開発方法として特異なものではなく,合理的なものと受け止められている。新たに開発されるソフトには社会的に幅広い評価があり得る一方で,その開発には迅速性が要求されることも考慮すれば,かかるソフトの開発行為に対する過度の萎縮効果を生じさせないためにも,単に他人の著作権侵害に利用される一般的可能性があり,それを提供者において認識,認容しつつ当該ソフトの公開,提供をし,それを用いて著作権侵害が行われたというだけで,直ちに著作権侵害の幇助行為に当たると解すべきではない。かかるソフトの提供行為について,幇助犯が成立するためには,一般的可能性を超える具体的な侵害利用状況が必要であり,また,そのことを提供者においても認識,認容していることを要するというべきである。すなわち,ソフトの提供者において,当該ソフトを利用して現に行われようとしている具体的な著作権侵害を認識,認容しながら,その公開,提供を行い,実際に当該著作権侵害が行われた場合や,当該ソフトの性質,その客観的利用状況,提供方法などに照らし,同ソフトを入手する者のうち例外的とはいえない範囲の者が同ソフトを著作権侵害に利用する蓋然性が高いと認められる場合で,提供者もそのことを認識,認容しながら同ソフトの公開,提供を行い,実際にそれを用いて著作権侵害(正犯行為)が行われたときに限り,当該ソフトの公開,提供行為がそれらの著作権侵害の幇助行為に当たると解するのが相当である。」

「これを本件についてみるに,まず,被告人が,現に行われようとしている具体的な著作権侵害を認識,認容しながら,本件Winnyの公開,提供を行ったものでないことは明らかである。
 次に,入手する者のうち例外的とはいえない範囲の者が本件Winnyを著作権侵害に利用する蓋然性が高いと認められ,被告人もこれを認識,認容しながら本件Winnyの公開,提供を行ったといえるかどうかについて検討すると,Winnyは,それ自体,多様な情報の交換を通信の秘密を保持しつつ効率的に行うことを可能とするソフトであるとともに,本件正犯者のように著作権を侵害する態様で利用する場合にも,摘発されにくく,非常に使いやすいソフトである。そして,本件当時の客観的利用状況をみると,原判決が指摘するとおり,ファイル共有ソフトによる著作権侵害の状況については,時期や統計の取り方によって相当の幅があり,本件当時のWinnyの客観的利用状況を正確に示す証拠はないが,原判決が引用する関係証拠によっても,Winnyのネットワーク上を流通するファイルの4割程度が著作物で,かつ,著作権者の許諾が得られていないと推測されるものであったというのである。そして,被告人の本件Winnyの提供方法をみると,違法なファイルのやり取りをしないようにとの注意書きを付記するなどの措置を採りつつ,ダウンロードをすることができる者について何ら限定をかけることなく,無償で,継続的に,本件Winnyをウェブサイト上で公開するという方法によっている。これらの事情からすると,被告人による本件Winnyの公開,提供行為は,客観的に見て,例外的とはいえない範囲の者がそれを著作権侵害に利用する蓋然性が高い状況の下での公開,提供行為であったことは否定できない
 他方,この点に関する被告人の主観面をみると,被告人は,本件Winnyを公開,提供するに際し,本件Winnyを著作権侵害のために利用するであろう者がいることや,そのような者の人数が増えてきたことについては認識していたと認められるものの,いまだ,被告人において,Winnyを著作権侵害のために利用する者が例外的とはいえない範囲の者にまで広がっており,本件Winnyを公開,提供した場合に,例外的とはいえない範囲の者がそれを著作権侵害に利用する蓋然性が高いことを認識,認容していたとまで認めるに足りる証拠はない。」

【コメント】

 ファイル共有ソフトWinnyをめぐる事件は,社会的耳目を集め,上記のような結末を迎えました。判決が認定しているとおり,Winny自体は著作権侵害にも適法な用途にも使うことができ,その選択はユーザーに委ねられています。

 刑法の世界で「中立的行為による幇助」といわれる問題です。

 学生時代,よく私の師匠は「包丁で殺人を犯した人がいるときに,『もしかしてこの人,殺人するかもしれない』と思って包丁を売った人が,殺人の幇助に問われないのと同じことだ」と言っていました。

 道具の提供行為の責任を問われたとき,やはり道具の用途というのは非常に大事になります。ちょっと話は反れますが,パチンコやスロットの不正行為について,似たような議論があります。

 磁石を使ってパチンコ玉を不正に誘導する行為は,(パチンコ台に着席するだけでなく)実際に磁石を使用してパチンコ玉を誘導しようとした時点で窃盗の着手あり,というべきです。磁石自体はいろいろな用途があるもので,別に不正にパチンコをするためのものではありません。

 これに対し,スロットのボタンを押すタイミングを教えてくれる「体感機」を使用してメダルを取得する行為は,「体感機」を使用してプレーを始めた時点で窃盗の着手あり,というべきです。「体感機」は不正にパチスロをプレーする他に使い道がありませんからね。

 

 そこへ行くとときめきメモリアル事件における改造メモリーカードの提供行為はどうなんでしょうか??

 改造メモリーカードを買った人は,たいていゲームのパラメータを改造するんでしょうし,改造メモリーカードの提供は幇助の責任ありですね。

ときめきメモリアル事件・最高裁平成13年2月13日判決

 ちなみに,本件で被告人となった金子勇氏は,最高裁で無罪が確定してから1年半程度で,急性心筋梗塞により亡くなりました。イノベーターに対する日本社会の寛容さ,という点でも大変考えさせられる,平成の大事件でした。

アダルト動画サイト事件・大阪高裁平成30年9月11日判決

令和元年10月1日追記

 ユーザーの違法行為を「幇助」することについて,脱獄iPhone事件も参照。

脱獄iPhone刑事事件・千葉地裁平成29年5月1日判決

パックマン事件・東京地裁昭和59年9月28日判決

(1)はじめに

 「パックマン」というゲームソフトが,著作権法でいうところの「映画の著作物」に当たることを認めた判決として有名です。

(2)判決要旨

表現方法の要件

「表現方法の要件は、前記(一)のとおりであるが、そこでは、「視覚的又は視聴覚的効果」とされているから、聴覚的効果を生じさせることすなわち音声を有することは、映画の著作物の必要的要件ではなく、視覚的効果を生じさせることが必要的要件であること解される。
 映画の視覚的効果は、映写される影像が動きをもつて見えるという効果であると解することができる。右の影像は、本来的意味における映画の場合は、通常スクリーン上に顕出されるが、著作権法は「上映」について「映写幕その他の物」に映写することをいうとしている(第二条第一項第一九号)から、スクリーン以外の物、例えばブラウン管上に影像が顕出されるものも、許容される。したがつて、映画の著作物の表現方法の要件としては、「影像が動きをもつて見えるという効果を生じさせること」が必須であり、これに音声を伴つても伴わなくてもよいということになる。
「右に述べた要件は、映画から生じるところの各種の効果の中から、「視覚的効果」と「視聴覚的効果」とに着目し、そのうち特に「視覚的効果」につき、これに類似する効果を生じさせる表現方法を必須のものとしたものであるから、「映画の著作物」は本来的意味における映画から生じるその他の効果について類似しているものである必要はないものと解される
 したがつて、現在の劇場用映画は通常観賞の用に供され、物語性を有しているが、これらはいずれも「視覚的効果」とは関係がないから、観賞ではなく遊戯の用に供されるものであつても、また、物語性のない記録的映画、実用的映画などであつても、映画としての表現方法の要件を欠くことにはならない。」

存在形式の要件

「映画の著作物は「物に固定されていること」が必要である。
「物」は限定されていない…
 したがつて、物に固定されているとは、著作物が、何らかの方法により物と結びつくことによつて、同一性を保ちながら存続しかつ著作物を再現することが可能である状態を指すものということができる。

(3)コメント

 冒頭のように,ゲーム「パックマン」が「映画の著作物」に該当することを認めた裁判例です。一般的に,「映画の著作物」に該当するための要件を判示しており,古い判決ですが今日でも重要な判決です。

 その後,最高裁もゲームソフトが「映画の著作物」に該当することを前提に判断しています。

⇒中古ゲームソフト事件・最高裁平成14年4月25日判決

ときめきメモリアル事件・最高裁平成13年2月13日判決も参照。

※近時の例として神獄のヴァルハラゲート事件・東京地裁平成28年2月25日判決参照(平成30年9月2日追記)。

 では,ゲームソフトであればなんでもかんでも著作権法の「映画の著作物」にあたるのか??というとそうでもありません。

 例えば,静止画が圧倒的に多いゲームでは,上記の表現方法の要件(「影像が動きをもつて見えるという効果を生じさせること」)を満たさないため,映画の著作物にあたりません。

 少数ながら,否定例は次のとおり存在します。

⇒三国志Ⅲ事件・東京地裁平成11年3月18日判決

⇒猟奇の檻事件・知財高裁平成21年9月30日判決

ときめきメモリアル事件 最高裁平成13年2月13日

ときめきメモリアル事件 最高裁平成13年2月13日

(1)事案の概要

 X(KONAMI)のゲームソフト「ときめきメモリアル」は、プレイヤーが架空の高等学校の生徒となって、卒業式の当日、あこがれの女生徒から愛の告白を受けることを目指し、3年間の勉学や行事等を通してこれにふさわしい能力を備えるための努力を積み重ねるという内容の恋愛シミュレーションゲームである。Yは、そのハッピーエンドを簡単に実現できるパラメータのデータを記録したメモリーカードを輸入、販売した。そこでXは同一性保持権に基づいて損害賠償を請求した。

(2)判決要旨

「本件メモリーカードの使用は,本件ゲームソフトを改変し,被上告人の有する同一性保持権を侵害するものと解するのが相当である。けだし,本件ゲームソフトにおけるパラメータは,それによって主人公の人物像を表現するものであり,その変化に応じてストーリーが展開されるものであるところ,本件メモリーカードの使用によって,本件ゲームソフトにおいて設定されたパラメータによって表現される主人公の人物像が改変されるとともに,その結果,本件ゲームソフトのストーリーが本来予定された範囲を超えて展開され,ストーリーの改変をもたらすことになるからである。」
「専ら本件ゲームソフトの改変のみを目的とする本件メモリーカードを輸入,販売し,他人の使用を意図して流通に置いたYは,他人の使用による本件ゲームソフトの同一性保持権の侵害を惹起したものとして,Xに対し,不法行為に基づく損害賠償責任を負うと解するのが相当である。」

(3)コメント

ア はじめに

 司法試験の題材にもなった超有名判例です。著作権法の古典ともいうべき事件ですが,最近読んでも興味深い点が多いですね。

 パラメータをいじる改造メモリーカード,昔売っていましたよね。懐かしいです笑。ゲームのメーカーが改造メモリーカードの輸入・販売業者を訴えた,という構造の事件です。

 さて,改造メモリーカードを使ったところで,ゲームソフトのプログラム自体を書き換えているわけではありません。

 本判決の一審によれば,この事件で問題になっている「ときめきメモリアル」は当時のプレイステーション版です。プレイステーションのゲームソフトはCD-ROMですから,メモリーカードは単にセーブデータを保存しているだけで,CD-ROMは書き換えないですね。

 本判決は「ときめきメモリアル」のストーリーに着目して,改造メモリーカードを使うと「その結果,本件ゲームソフトのストーリーが本来予定された範囲を超えて展開され,ストーリーの改変をもたらすことになる」ことから,同一性保持権の侵害を認めました。

イ ゲームソフトが映画の著作物になること

 パックマン事件以来,たいていのゲームソフトは著作権法のいうところの,「映画の著作物」(著作権法2条3項)に当たる,ということになっています。

パックマン事件・東京地裁昭和59年9月28日判決

ウ 侵害主体

 この事件,改造メモリーカードを使って「ときめきメモリアル」のストーリーを書き換えているのは,ゲームのプレイヤーであり,販売業者はその道具(改造メモリーカード)を提供している(幇助している)に過ぎない,と見るのが素直だと思います(私は学生の頃そのように教わりました)※。民法719条2項により損害賠償を認めた,という見方です。

 そうすると,最近出たヤフオク!クラック版ソフト事件との関係が気になるところです。同事件でも改変行為自体はユーザーがやっていると見えるのですが,東京地裁は,業者の方を著作権の侵害主体と見ました。

 要するに,ユーザーと業者,どちらが著作権を侵害しているか,主要な行為をしているか,利益を得ているか,等を規範的に判断するということでしょう。

ヤフオク!クラック版ソフト事件・東京地裁平成30年1月30日判決

エ 中立的行為による幇助??

 また,道具の提供にすぎないとすると,同じように道具を提供しておきながら幇助者としての責任を問われなかったWinny事件との関係がおもしろいです。

 Winny事件で問題になったWinnyというP2Pソフトは,著作権侵害にも,適法な通信にも利用できるソフトでした。ちょうど,包丁を使った殺人事件において,犯人に包丁を売った人が罪に問われないのと同じです(中立的行為による幇助といいます。)。

 これに対し,改造メモリーカードは,著作権侵害にしか使えない,悪質なものだ,という評価が可能でしょう。

Winny事件・最高裁平成23年12月19日判決

脱獄iPhone刑事事件・千葉地裁平成29年5月1日判決

※なお,判決は侵害主体がだれか,はっきりとは言っておらず,違う読み方をする学説もあります。

これだけは知っておきたい!“GDPR”の対応~わが社は大丈夫??~

1 はじめに

 突然ですが,近ごろ新聞や雑誌で「GDPR」という言葉を耳にしませんか?「GDPR」とは,EU一般データ保護規則のことで,EU域内から域外へ個人データを移転することが原則として禁止するルールです。

 「ヨーロッパのことでしょ?うちの会社は関係ないよ」と思った社長,ちょっとだけ待ってください!このGDPR,実はけっこう適用範囲が広いのです。また,先日わが国がEUとEPA(経済連携協定)を締結したことは記憶に新しいですが,今後のEUとの貿易をビジネスチャンスと考えている社長にも,気に留めておいていただきたいところです。

2 これだけは知っておいていただきたいGDPRの適用範囲

(1)とある社長の相談

ケース1―製造業
 わが社はメーカーで,EU域内に営業所があり,現地の人を雇用しています。本社がある日本で一括して労務管理をしていますが,GDPRの対策は必要ですか?
ケース2―農業
 わが社は静岡県でブランド野菜を育成・販売しています。今般,日欧EPAが発行されたことから,わが社のブランド野菜をEU向けに出荷したいと考えています。何か気を付けることはありますか?
ケース3―旅館(ホテル)
 わが社は静岡県で旅館業をしています。最近はヨーロッパからお越しのお客様も多く,皆様インターネットから宿泊予約をされています。何か問題がありますか?
ケース4―動画配信
 わが社はインターネットで動画を配信するサービスを運営しています。登録したお客様は月額料金をわが社に払い,わが社の動画を見ることができます。今般,お客様のリストを確認したところ,ヨーロッパ在住のお客様もある程度登録されていることが分かりました。

(2)GDPRの適用範囲
 結論からいえば,上記すべてのケースでGDPRが適用されます(対応の必要があります)。誤解をおそれずにいえば,およそEU域内の人に商品やサービスを売っている会社 ,EU域内の人を雇用している会社はGDPRの対策を検討しなければなりません

3 対応のポイント
 GDPRが適用されると,原則として,EU域内の個人データをEU域外に移転できなくなり,厳密に対象者の同意を得る必要が出てきます。重大な違反には制裁金が課されますし,一定の場合にEU域内に管理者または現地の代理人を置く必要があります。

 上記のケースに心当たりがある場合,顧問弁護士と対応を協議するのがよろしいかと思います。

 なお,わが国にも個人情報保護法という法律が存在し,先般の改正時にはほとんどの企業が個人情報保護規定を作成されたかと存じます。現在わが国は,EUと協議して,わが国の個人情報保護法に基づく対応で十分であるという協定を締結しようとしています(「十分性の認定」といいます)。これはまだ少し先の話ですから,同行が注目されます。

 

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